「宝林寺(ほうりんじ)」は、愛媛県今治市に位置する曹洞宗の寺院で、府中第五十九霊場として多くの信仰を集めています。この寺院は、かつて釈迦堂を中心に繁栄した七宝寺の一つとされ、地域の歴史と文化に深く根ざした由緒ある寺院です。
宝林寺の歴史
宝林寺の起源は「七宝寺(ひちほうじ)」と呼ばれる寺院群にさかのぼります。
七宝寺は、愛媛県今治市にかつて存在した寺院群で、釈迦堂を中心に栄えたと伝えられています。七宝寺は七つの寺院から構成されていましたが、そのうち四寺は鎌倉時代初期に焼失し、現在は、宝林寺を含めて桂地区の宝蔵寺、法界寺地区の宝積寺の三つが残っています。
曹洞宗の寺院となったのは約400年前、藤堂高虎が今治城を築いた時代とされています。それ以前の歴史は不明な点も多く、七宝寺は伝説ではなく実在した寺院群であったと考えられています。しかし、曹洞宗の寺として再興される際に過去の歴史が意図的に消された可能性も指摘されています。
本堂の建立と延命地蔵
現在の本堂は昭和54年(1979年)2月に建立されました。この際には、地域の発展と住民の長寿を祈願して延命地蔵が造られ、現在も大切に祀られています。本堂は伝統的な様式を取り入れつつ近代技術を活用した建物で、参拝者に落ち着いた雰囲気を与えています。
管理体制と年中行事
宝林寺は現在無住の寺院であり、今治市米屋町の円光寺の住職が兼任しています。毎年4月8日には花まつりが開催され、釈迦堂に安置されている釈迦如来像がご開帳されます。この日は地元の人々によるお接待も行われ、多くの参拝者で賑わいます。