「隆慶寺(りゅうけいじ)」は、寺町あるお寺で大雄寺を創建した大庵須益(だいあん しゅえき)和尚によって創建されました。
「十一面観音立像」
隆慶寺の見どころは、今治市の有形文化財に指定されている「十一面観音立像」の看板があります。
この観音像は、頭上に十一の顔を持ち、主顔(正面)は慈悲を象徴し、周囲には怒り、哀しみ、喜びなどの感情を表す顔が配置されています。後ろには邪悪を笑い飛ばす暴悪大笑相があり、右手は恐れを取り除く施無畏印を示し、左手には紅蓮を挿した花瓶を持ち、全ての穢れを洗い清める功徳水が入っています。衣装や装飾も豪華で、観音菩薩の神聖さと威厳を表現しています。
十一面観音は古代インドで生まれ、日本には奈良時代に伝来しました。奈良時代には、仏教が日本の社会に浸透し、様々な仏像が作られました。その中でも、十一面観音像は特に人気がありました。平安時代になると、さらに多くの美しい像が作られ、全国の寺院で信仰の対象となりました。特に、頭上の十一の顔が持つ異なる表情は、様々な人々の悩みや願いに応える象徴として、庶民に親しまれてきました。
このような背景の中で、全国には多くの十一面観音像が作られており、それぞれが地域の信仰の中心となっています。例えば、奈良県の東大寺や法隆寺、京都の清水寺や三十三間堂、滋賀県の観音正寺などがその代表です。これらの像は地域住民にとって深い信仰の対象であり、訪れる人々に感銘を与え続けています。
今治市にある隆慶寺の十一面観音立像も、その一つとして多くの人々に崇敬されています。その美しさと神秘性に触れるために、ぜひ今治市の隆慶寺を訪れてみてください。