毎年、8月の第一土曜日と日曜日に開催される今治市最大の夏祭り!それが「おんまく」です。
「おんまく」という言葉は、今治地方の方言で「めちゃくちゃ、いっぱい、おもいっきり」という意味で、参加者全員、みんなで思いっきり楽しもうというコンセプトのもとに名付けられました。
おんまくは比較的新しいお祭りで、1997年に始まりました。
それまでは商工会議所主催の「港まつり」や、青年会議所主催の「バリ祭」など、それぞれが祭りを行っていましたが、当時の今治商工会議所会頭と今治市長が、次の世紀にむけて今治のお祭りのあり方を考え、今治市民全体の一体感を深める場を作ろうと考えました。
そして、これまでのお祭りを一つにまとめて、今治市民が自分たちで企画・運営する「市民のための祭り」として1997年8月7日(金)に第一回「おんまく」が始まりました。
「おんまく」は、市民の一体感を象徴するイベントとして、まず16校区による「土のセレモニー」で幕を開けます。このセレモニーは、地域の全ての世代が一つになり、今治の独自の文化を次世代へ受け継ぐという思いを込めたものです。毎年、子どもたちが各地域から集めた土を記念植樹された楠の木に集め、今治市民の健康と発展を祈願します。この行事を通じて、市民全体が一体となる大切な瞬間を共有し、今治の未来を願う気持ちが表現されています。
「おんまく」の最大の魅力の一つは、なんといってもダンスパフォーマンスです。お祭りの期間中、今治市役所前から港に抜ける大きな道路である広小路(愛媛県道14号)が車両通行止めとなり、この道路が巨大なダンス会場に変わり、様々なダンスが披露されます。
- ダンスバリは、1993年のプレバリ祭で「暑い夏をおどりまくろう」というコンセプトのもとに生まれた今治のオリジナルダンスです。エスニックなリズムとメロディが特徴で、その躍動感あふれるパフォーマンスは観客を魅了します。
- 今治お祭り音頭は、1980年に市制60周年を記念して市民公募により作られた盆踊りです。シンプルで親しみやすいメロディが世代を超えて愛されており、市民参加型の踊りとして毎年多くの参加者がいます。
- 木山音頭は、約400年前に藤堂高虎公による今治城築城の際に作られた伝統的な盆踊りです。この踊りは今でも多くの市民に親しまれ、歴史と文化を感じさせます。
さらに、「おんまく」では、今治地方の伝統芸能である継ぎ獅子やしまなみ海道太鼓競演が行われ、また、姉妹都市の尾道市や太田市との交流イベントも行われ、地域を超えた交流の場としても注目されています。
多くのB級グルメや屋台、キッチンカーも出店しており、美味しいグルメを食べながらお祭りを楽しむことができます。
もちろん、お酒も楽しむことができるため、祭りの雰囲気を感じながらリラックスして過ごすことができます。地元のビールや日本酒など、多様な選択肢が用意されており、今治の味覚を存分に楽しむことができます。
2日目の夜には、祭りのフィナーレを飾る巨大な花火大会「おんまく花火」が開催されます。この花火大会は、中四国最大級の規模を誇り、今治の夜空を鮮やかに彩ります。瀬戸内海、来島海峡に今治城、様々な背景に打ち上げられ、その美しさと迫力で観客を魅了します。色とりどりの花火が空に広がり、その光が海面に反射する様子は、まさに幻想的です。
「おんまく」は、まさに今治市民の情熱と誇りを象徴する祭りであり、その参加者たちは毎年新たな思い出を作りながら、次の世代へとこの素晴らしい伝統を受け継いでいます。ぜひ、この夏は「おんまく」で今治の魅力を存分に体験してみてください。