桜井にある綱敷天満宮が鎮座する志島ヶ原のすぐ近くに位置する「本性寺(ほんしょうじ)」は、大正15年(1926年)に井出鬼五郎が私財を投じて建立された寺院です。
建立当初、本性寺はまだ正式な寺号を持っていませんでしたが、井出鬼五郎の熱意と信仰心が認められ、昭和3年(1928年)7月9日に「本性寺」という寺号が正式に認可されました。これにより、本性寺は地域の宗教的な中心としての役割を果たし始め、正式な寺院として創建されました。
宝塔と本堂
昭和29年(1954年)には宝塔が建立されましたが、この宝塔はもともと明治40年(1907年)に村上栄氏の手によって天保山町で建立されたものでした。この貴重な建造物が本性寺に移転されたことにより、寺院の歴史的価値がさらに高まりました。
加藤清正公の像
昭和32年(1957年)、本性寺の本堂が新たに建立されました。この新しい本堂が建設された場所には、もともと江戸時代末期に建立された清正公堂が存在していました。
昭和32年(1957年)に本性寺の本堂が新たに建立されましたが、この本堂が建てられた場所には、もともと江戸時代末期に建立された清正公堂がありました。清正公堂は、熊本城の築城で名高い加藤清正公を祀るために建てられ、その堂内には、天保15年(1844年)に肥後(現在の熊本県)の仏師によって作られた加藤清正公の像が安置されていました。この像は、加藤清正公の卓越した指導力と数々の功績を称えるものであり、本堂が建てられた現在も、地元の人々にとって重要な信仰の対象となっています。
「清正公祭」
毎年7月の第4日曜日には、本性寺で「清正公祭」が開催されます。この祭りでは、加藤清正公の偉業を称える法要が行われるほか、地域の人々や訪問者が楽しめる様々な催しが行われます。特に、金魚すくいや鉄道模型運転体験会などのイベントが人気で、祭りは地域の伝統を守りながら、住民同士の結束を深める重要な機会となっています。