「献珠院(けんじゅいん)」の創建は奈良時代にさかのぼるとされており、地元の人々の信仰の中心としての長い歴史を持っています。具体的な歴史的証拠は確認されていませんが、弘法大師(空海)がこの地を訪れたという伝承もあります。この空海にまつわる伝説も地域の人々にとって深い信仰の対象となっています。
献珠院に関連する伝説の一つに、比留女地蔵(ひるめじぞう)があります。
比留女地蔵は献珠院のすぐ近く(愛媛県今治市菊間町高田1784)にあるお地蔵様です。戦国時代、黒岩城主・渡部内蔵進の姉であるタカ姫が、腰の病に苦しみながらも般若心経を書写し、祈願を行ったことで病が治ったという話が伝えられています。これが「比留女地蔵」として崇拝されるようになったきっかけです。この地蔵は性病、腰気、夜尿症などに効験があるとされ、遠方からも多くの参拝者が訪れます。
献珠院も病気平癒の霊験あらたかとされ、多くの参拝者が訪れます。比留女地蔵には、女性の腰巻や男性の男根を模した奉納品が捧げられています。これらの奉納品は、病気治癒や健康祈願の象徴として重要な役割を果たしています。
毎年8月21日には縁日が開催され、餅まきや踊りで賑わいます。この日は、地元の人々と多くの参拝者が集まり、比留女地蔵への感謝と祈願を行います。縁日は地域の伝統と信仰を感じることができるので、ぜひ足を運んでみてください。